Thermo Fisher Scientific

  1. Accelerating Science
  2. Learning at the Bench
    3. /
  3. 分子生物学実験関連
    4. / ウイルス/細菌由来の核酸（DNA/RNA）精製に求められること ~高収量/高純度を超えたスピードと処理能力を兼ねそろえたKingFisher™シリーズの紹介~

ウイルス/細菌由来の核酸（DNA/RNA）精製に求められること ~高収量/高純度を超えたスピードと処理能力を兼ねそろえたKingFisher™シリーズの紹介~

Written by | Published: 05.19.2020

ウイルス由来の核酸（DNA/RNA）を標的とした検査の精度は、核酸サンプルの純度、および反応に持ち込む核酸量に大きく依存します。特にウイルス感染の判定では、検出限界に近いコピー数しか存在しないサンプルも多く存在するため、微量なウイルス由来の核酸をロスなく、高純度で回収できる精製システムを選択することが第一条件となっています。また操作の手技によるばらつきやミスを最小限に抑えることも重要です。

▼こんな方におすすめです！
・感染症 / マイクロバイオーム研究
・現行より高感度な検出が必要
・1回の核酸精製で12サンプル以上処理

より高感度な検出を実現！

自動精製をサポートするKingFisher™シリーズ

自動精製をサポートするKingFisher™シリーズでは、磁性ビーズをベースとした精製システム（MagMAX™シリーズ）に最適化されたプロトコールが作成されており、高効率で再現性の高い核酸精製を可能にします。MagMAX™シリーズではスタートサンプルや標的核酸のタイプに合わせてさまざまなKitが開発されています。すべてのKitは磁性ビーズの表面に核酸を結合/洗浄/溶出の工程で経て回収を行います。KingFisher™シリーズは、磁性ビーズをマグネットヘッドに結合させた状態で、結合/洗浄/溶出bufferの分注されたwell(またはPlate)を移動することで、核酸精製を行います（図１）。また精製工程では完全に最適化された強度のミックス処理や加熱処理を組み合わさることで最高のパフィーマンスがデザインされています。KingFisherシリーズはニーズに合ったスループット性の機器を選択することができます（表１）

感染症 / マイクロバイオーム研究に適したMagMAX™シリーズ

MagMAX™シリーズの製品ラインアップに感染症 / マイクロバイオーム研究に特化した製品（表2）が新たに追加されました。
1】ウイルスRNA/DNA精製にフォーカスしたMagMAX™ Viral/Pathogen Nucleic Acid Isolation Kit、2】ウイルスRNA/DNAに加え、より溶解の難しいバクテリア（グラム陽性/グラム陰性菌）からのRNA/DNAも可能なMagMAX™ Viral/Pathogen Ultra Nucleic Acid Isolation Kit、3】夾雑物の多い糞便や土壌サンプルから高純度なウイルス/バクテリア由来のRNA/DNAに最適化されたMagMAX™ Microbiome Ultra Nucleic Acid Isolation Kitです。
いずれのシステムも精製されたRNA/DNAは、PCR, real-time PCR, microarray, next-generation sequencingなどのアプリケーションに利用可能です。またNGS解析に悪影響を与えるキャリアを添加せずに精製が行えます。
参考資料：マイクロバイオーム解析

ウイルスRNA/DNAの高感度な検出に！　MagMAX Viral/Pathogen Nucleic Acid Isolation Kit

ヒト体液のウイルスの検出は、感染症の研究と管理に不可欠です。
ウイルス負荷試験（Viral load testing）は、抗ウイルス療法の有効性評価やウイルス感染の進行のモニター、さらに高感度な検出が可能となれば初期段階で感染を明らかにすることができます。
MagMAX™ Viral/Pathogen Nucleic Acid Isolation Kitは特に体液サンプルからのウイルスRNA/DNA回収に特化されたKitで、短時間で体液中に微量に存在するウイルスRNA/DNAを効率的に回収できます。KingFisher™ Flexと組み合わせることで、96サンプルをわずか40分程度で処理できます。
全血、血漿、尿サンプル（400μL）にそれぞれ 50～1000コピーのcytomegalovirus (CMV) および Epstein-Barr virus (EBV) スパイクした精製試験では、精製後のサンプル（溶出量50μL）から4μLを分取してリアルタイムPCRで検出を行い感度のテストを行ったところ、わずか50コピーのスパイクサンプルでも十分に検出できる感度が確認できました（図2）。
実験の詳細はこちらをご覧ください。

またdsDNAだけでなく (+)ssRNA, (-)ssRNAウイルスも同様に高感度な検出が可能で、他社のウイルス精製システムとの比較テストでは同等以上の感度でウイルスを検出することができました（図3）。


全世界で脅威となっている 新型コロナウイルスSARS-CoV-2（感染症名：COVID-19）のPCR検出のための検体からのウイルスRNA精製にこのKitを提案しています（詳細）。

現在、高収量/高純度の核酸を迅速にハイスループットで処理できるシステムの構築が多くの現場で求められています。
ウイルスおよび細菌による感染症解析 / マイクロバイオーム研究用に特化した精製Kitおよび自動精製システムを組み合わせることで、効率的な研究をサポートします。

新型コロナウイルスSARS-CoV-2（感染症名：COVID-19）の遺伝子解析ソリューション

ウイルス検出のためのワークフローを紹介しております。ぜひウイルス検出研究にご活用ください。

詳細を見る

自動化プロトコルとソフトウェア

MagMAX 核酸精製キット用や、Dynabead および Pierce のタンパク質精製ビーズおよびキット用の自動化プロトコルの検索やダウンロードができます。

詳細を見る

 

研究用にのみ使用できます。診断用には使用いただけません。

記事へのご意見・ご感想お待ちしています

  • サーモフィッシャーサイエンティフィックジャパングループ各社は取得した個人情報を弊社の個人情報保護方針に従い利用し、安全かつ適切に管理します。取得した個人情報は、グループ各社が実施するセミナーに関するご連絡、および製品／サービス情報等のご案内のために利用させていただき、その他の目的では利用しません。詳細は個人情報の取扱いについてをご確認ください。
  • 送信の際には、このページに記載のすべての注意事項に同意いただいたものとみなされます。