Thermo Fisher Scientific

  • メニュー
    • 分子生物学実験関連
    • 分析・測定関連
    • 細胞培養・イメージング
    • 研究者インタビュー
    • その他
  • このブログについて
  • お問い合わせ
Accelerating ScienceLearning at the Bench / 分子生物学実験関連 / 【やってみた】サイクルシーケンス反応後に時間が経過しても大丈夫?

【やってみた】サイクルシーケンス反応後に時間が経過しても大丈夫?

Written by LatB Staff | Published: 03.30.2023

DNAの塩基配列を決定するサンガーシーケンス法は、今でもゲノム編集の確認から遺伝子診断研究まで幅広く使用されている方法です。今回のブログではPCR装置でサイクルシーケンス反応が終わったら、そのままPCR装置に置いておいても大丈夫ですか?どのくらい放置しても大丈夫ですか?というお声を参考に、サイクルシーケンス反応後の産物を一定期間保管した影響を確認してみました。

▼もくじ

  • 材料と方法
  • 結果
  • まとめ
    • 【無料公開中】サンガーシーケンスの基礎

材料と方法

使用試薬

  • pGEM-3Zf(+) DNAコントロールベクター(200ng/uL)
  • -21M13プライマー(0.8pmol/uL)
  • Applied Biosystems™ BigDye™ Terminator v3.1 Cycle Sequencing Kit
  • Applied Biosystems™ BigDye™ XTerminator™ Purification Kit

サイクルシーケンス反応は以下の条件で調製

Ready Reaction Mix
x5 Sequencing Buffer
コントロールDNAベクター
プライマー
脱イオン水
2 μL
3 μL
1 μL
4 μL
10 μL
全量 20 μL

Applied Biosystems™ MiniAmp™ Plus Thermal Cyclerを使用し標準のサイクルシーケンス反応を実施

反応後の産物は以下の3つの条件を検証

  1. すぐに精製ステップへ
  2. 冷蔵・遮光で1日保管後、精製ステップへ
  3. 冷蔵・遮光で7日保管後、精製ステップへ

BigDye XTerminator Purification Kitで精製
Applied Biosystems™ SeqStudio™ Genetic Analyzerを使用しLongSeq_BDXの条件でランを実施

結果

数値はすべてn=2、同一サンプルを2回ランした平均値を算出しています。

  • 高いクオリティ(QV値20以上)で塩基配列決定された連続塩基長

数値はSequencing Analysis Software ReportのLength of Readを使用

すぐに精製ステップ 878 bp
冷蔵・遮光で1日保管 850 bp
冷蔵・遮光で7日保管 882 bp

サイクルシーケンス反応後に7日間保管しても適切に塩基配列決定されました。

  • サンプルピークの高さの平均値

数値はSequencing Analysis Software AnnotationのAve Signal Intensityの平均値を使用

すぐに精製ステップ 718
冷蔵・遮光で1日保管 565
冷蔵・遮光で7日保管 496

サンプルピークの高さは1日保管で約20%、7日保管で約30%低下しました。

下図はSequencing Analysis SoftwareのRawデータ Y軸は3000にセット

  • サンプルピークのシグナル/ノイズ

数値はSequencing Analysis Software ReportのAvg S/Nを使用

すぐに精製ステップ 152
冷蔵・遮光で1日保管 128
冷蔵・遮光で7日保管 114

サンプルピークのシグナル/ノイズは1日保管で約15 %、7日保管で25 %低下しました。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
反応後は早めに次の精製ステップにすすんだ方がよいようです。

今回の試験では、塩基配列決定された長さに影響はありませんでしたが、サイクルシーケンス反応後の保管期間の長さにより、サンプルピークとシグナル/ノイズの低下がみられました。
サンプルピークの高さは、テンプレートDNAの質や量、配列情報に依存します。そのため保管期間の長さだけでなくテンプレートDNAや反応条件によっては、サンプルピークの低下が塩基決定に影響を与える可能性も考えられます。

【無料公開中】サンガーシーケンスの基礎

このケミストリーガイドでは、ワークフローからアプリケーションまでサンガーシーケンスの基本原理を学べます。

ダウンロードする

 

研究用にのみ使用できます。診断目的およびその手続き上での使用はできません。

Share this article
FacebookTwitterLinkedinMail

記事へのご意見・ご感想お待ちしています

  • サーモフィッシャーサイエンティフィックジャパングループ各社は取得した個人情報を弊社の個人情報保護方針に従い利用し、安全かつ適切に管理します。取得した個人情報は、グループ各社が実施するセミナーに関するご連絡、および製品/サービス情報等のご案内のために利用させていただき、その他の目的では利用しません。詳細は個人情報の取扱いについてをご確認ください。
  • 送信の際には、このページに記載のすべての注意事項に同意いただいたものとみなされます。

qPCR解析を簡単に!複数データをまとめて解析するソフトウエア
半導体およびプリント基板(PCB基板)製造工程における汚染やコンタミネーションの分析について

個人情報保護方針ウェブサイト利用条件 拠点一覧サイトマップTrademark Information

© 2025 Thermo Fisher Scientific. 無断複写・転載を禁じます.

Talk to us