なぜ半導体製造プロセスにおいて汚染分析が必要なのか
半導体やプリント基板(PCB基板)の製造プロセスおよび、完成したデバイスにとって大きな懸念となるのが製造工程で発生するさまざまな汚染やコンタミネーションです。非常に高精度な機器においては、半導体の製造プロセスやパッケージングにおける少量の汚染(ppbからppmの濃度)であっても、デバイス、ウエハー、個々の最終電子部品において、腐食や浸食、エレクトロマイグレーション、短絡の原因となるおそれがあります。
つまり、半導体やプリント基板(PCB基板)の製造工程においては、ほんのわずかな汚染についてもモニタリングを行う必要があるのです。また、このような汚染分析は品質保証の観点で重要であるのみならず、一部の分析はIPC規格に準拠した製品製造を行う上で必要な条件でもあります。
この記事では、半導体およびプリント基板(PCB基板)製造工程における、一般的な汚染源のご紹介とその分析方法について解説いたします。
汚染源の種類
水(超純水)
半導体の製造では常に超純水が使用されているため、半導体は製造プロセスの中で何百回と超純水にさらされます。超純水に含まれる汚染物質によって正常なドーパントプロファイルがゆがんだり、逆転層ができたり、短絡が発生したり、その他の回路の故障が生じたりする場合があるため、半導体用の純水を達成可能な最も高い品質に保つことが極めて重要です。
化学試薬
ウエハー表面の洗浄や、以降のプロセスステップに使用するウエハーの準備には、化学試薬、酸、塩基、溶媒が使用されます。これらの試薬に微量金属が含まれていると、歩留まりやデバイスの信頼性に関する問題が生じるおそれがあります。
めっき槽
銅の電気化学析出(ECD)用のめっき槽は、正しい特性の金属付着を確実にするために、組成が十分に管理されていて汚染物質のない状態になっている必要があります。正しい伝導性を確保し、電子移動による劣化を最小限に抑えるために、銅の厚さ、結晶の方向、粒度が最適化されている必要があります。
プロセスおよび環境からの汚染
電子デバイスのメーカーは、一般に、めっき、マスキング、はんだ付け、すすぎ、エッチング、洗浄などを含む一連の化学的作業および機械的作業を行います。各作業が、それを行う環境と併せて、デバイスまたはアセンブリに何らかの影響を及ぼします。プロセスや製造環境が異なることによって、それらに固有の化学的な特徴がデバイスに残ります。
分析方法
イオンクロマトグラフィー(IC)は、半導体業界におけるさまざまなプロセスにおいて、汚染物質の微量成分と主成分を迅速に測定できる効率的な分析技術です。この技術は、一般的な無機陰イオンおよび陽イオン、特定の有機添加剤、遷移金属、多価イオン、有機キレート剤を定量するうえで有用な手段です。オンラインICプロセスモニタリングを使用すれば、これらの成分をpptという低いレベルで迅速に測定でき、直ちに改善策を講じることができます。
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