研究者インタビュー:リキッドバイオプシーの普及はがんの早期発見につながるのか?

アメリカがん協会は最近、若年層で大腸がんが増加していることを示唆する研究を発表しました。この研究によると、2023年だけでアメリカでは15万3000人以上がこのタイプのがんと診断され、そのうち13%が50歳未満であると推定されています。全てのがんにおいて早期発見が重要ですが、特に大腸がんでは、病気が進行する前に治療を受けることで生存率が高まります。リキッドバイオプシーなどの新しい検査方法は、侵襲性が低く、より迅速に結果を提供できるため、患者の予後を改善する可能性があります。

今回の記事はWeill Cornell Medicineの微生物学および免疫学の教授であるフランシス・バラニー博士へのインタビューをまとめた記事です。

インタビュー動画はこちらからご覧いただけます。

▼こんな方におすすめです!

  • がんやリキッドバイオプシーの研究をされている方・興味がある方
  • リアルタイムPCR・デジタルPCRの活用法を知りたい方

リキッドバイオプシーが早期発見の可能性を広げる

リキッドバイオプシーを活用した検査では、血液中に大腸がんの兆候がみられるか判断し、兆候がみられるようであれば内視鏡検査に進みます。病気が進行する前に次のステップに進むことができます。しかし、次世代シーケンサを活用した検査は費用が高く、多くの患者にとって経済的な負担が大きくなります。

そのため、Weill Cornell Medicine博士は、デジタルPCRやリアルタイムPCR装置で動作するがん検出アッセイの開発に注力しています。「これらのプラットフォームは多くの施設で利用可能であり、費用も安いため、リキッドバイオプシー検査をより多くの患者が利用できるようになるでしょう。がんは世界中の人々に影響を与える病気であり、人々の出身地や所得水準に関係なく、治療し助けるべきだと私は信じています」とバラニー博士は述べています。

この技術は臨床研究の初期段階にありますが、バラニー博士のような科学者たちは、膵臓がんや卵巣がんなど、検出が難しい複数のがんに適用させるために取り組んでいます。バラニー博士と彼のチームは、リキッドバイオプシーを日常診療に取り入れることが病気の解決策の一つになることを期待しています。

がんケアの格差を解消する

自身の研究を超えて、バラニー博士は低コストで拡張性の高い技術とリキッドバイオプシーソリューションを、世界中でがんに苦しむ人々に提供したいと考えています。容易に入手可能な機器で新しいテスト方法を研究することは、命を救う診断ツールを通じて、絶えず拡大する格差を減らすのに役立ちます。

「病気を解決するためにたゆまぬ努力をし、協力を惜しまないグループの一員になれる機会、それは本当に刺激的です」とバラニー博士は言います。「朝起きて『今日はがんの診断と治療のプロセスを少しでも前進させることができるかもしれない』と言える機会が私にはあるのです。」

まとめ

リキッドバイオプシーなど、デジタルPCRのアプリケーションをまとめた資料を無償で配布しています。デジタルPCRの活用事例をぜひご覧ください。

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Applied Biosystems™ソリューションがどのようにして費用対効果の高いスケーラブルな技術をがん検出に役立てているかについての詳細は、thermofisher.com/abcancerresearchをご覧ください。

研究用にのみ使用できます。診断用には使用いただけません。

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