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Accelerating ScienceLearning at the Bench / 分子生物学実験関連 / これがオススメ!ELISA用抗体・酵素・基質・ブロッキング剤まとめ

これがオススメ!ELISA用抗体・酵素・基質・ブロッキング剤まとめ

Written by LATB Staff | Published: 05.23.2016

▼もくじ

  • はじめに
  • 抗原や抗体標識の注意点
  • 酵素標識の種類
  • ビオチン標識とは?
  • 検出基質の種類まとめ
  • その他バッファー
  • おわりに
  • 【無料ダウンロード】タンパク質解析ワークフローハンドブック

はじめに

弊社では、サイトカインELISAキットのほか、プレート、基質、抗体、バッファーなど、アッセイ系の構築に関する製品を各種ご用意しています。アッセイで要求される感度やダイナミックレンジに応じた製品の選択に関して説明させていただきます。今回はELISA法に用いる抗体や酵素、基質やブロッキング剤に関してご紹介します。

抗原や抗体標識の注意点

抗原や抗体に標識を行うことで、標識分子による立体障害が生じることがあります。特に酵素などの高分子化合物を標識すると抗原や抗体の活性に影響を与えることがあり、ELISAでの検出感度が低下することもあります。立体障害で感度が低下する場合、酵素標識に用いる架橋試薬のリンカー長を延長することで改善されることがあります。また、分子サイズが小さいビオチンを用いることで、立体障害は軽減される傾向にあります。

酵素標識の種類

標識にはアルカリホスファターゼ(AP)と西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)が一般的に用いられます。APは分子量140kDaのタンパク質で、HRPに比べ反応速度は遅くなりますが、反応速度が一定であり、反応時間の延長で検出感度が向上されることがあります。HRPは40kDaのタンパク質で、APに比べ反応速度が速く、0℃以下でも安定に凍結保存できます。APは定量アッセイに適した酵素とされますが、ハイスループット分析では測定時間を短縮できるHRPを使用することもあります。また、HRPは比較的安価な酵素で、利用可能な基質が多いことも特長です。

ビオチン標識とは?

低分子(分子量244.3)ビオチンによる標識は立体障害を最小できること、ビオチン結合性タンパク質であるアビジンやストレプトアビジンまたはNeutravidinによる増感も可能なことから、検出感度の向上を目的に利用されます。通常、抗原や抗体にビオチンを標識して、酵素を標識したビオチン結合性タンパク質をプローブに利用します。二次抗体を用いるサンドイッチELISAでは、異なる動物種の捕獲抗体と検出抗体(一次抗体)が必要ですが、マウス由来の抗体しか用意できない場合など、ビオチン標識抗体を利用することで、問題を回避できます。

検出基質の種類まとめ

検出基質には発色基質、化学蛍光基質、化学発光基質があります。発色基質を用いる発色法は最も一般的な検出法で抗原や抗体に標識した酵素と基質を反応させて得られる安定な発色産物を利用します。化学蛍光基質を用いる化学発光法は発色法と比べて一般的に検出感度が高く、化学発光法と比べてダイナミックレンジが広い(線型定量性の高い)検出法です。化学発光基質を用いる化学発光法は最も高感度な検出法ですが、一般的にダイナミックレンジは化学蛍光法よりも狭く、また発光シグナルは比較的短時間で減衰するため検出時間は制限されます。検体数の多いハイスループット分析では、希釈系列数を最小限に抑えることができる、ダイナミックレンジの広い化学蛍光基質がおすすめです。

elisa-reagents-fig1

QuantaBlu Fluoregenic Peroxidase Substrate と発色基質との比較。QuantaBlu 化学蛍光基質と発色基質を西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)と室温において30分間反応させた後、反応停止液を添加しました。低濃度のHRPにおいて高いシグナルノイズ比が得られていることがわかります。

ELISA発色基質
酵素 製品 吸収波長と色 検出下限※ 抗体希釈率※
AP PNPP Substrate 405nm, Yellow ~10 ng/well
(100 ng/ml)
1° 1:500
2° 1:5000 – 1:20000
HRP ABTS Substrate 410nm (650nm), Green ~250 pg/well
(2.5 ng/ml)
1° 1:1000
2° 1:5000 – 1:50000
HRP OPD Substrate 490nm (450nm), Green (Orange) ~7 pg/well
(70 pg/ml)
1° 1:1000
2° 1:5000 – 1:50000
HRP Slow TMB 450nm (652nm), Yellow (Blue) ~8 pg/well
(80 pg/ml)
1° 1:1000
2° 1:5000 – 1:50000
HRP Turbo TMB 450nm (652nm), Yellow (Blue) ~7 pg/well
(70 pg/ml)
1° 1:1000
2° 1:5000 – 1:50000
HRP TMB Substrate 450nm (652nm), Yellow (Blue) ~6 pg/well
(60 pg/ml)
1° 1:1000
2° 1:5000 – 1:50000
HRP Ultra TMB 450nm (650nm), Yellow (Blue) ~2 pg/well
(20 pg/ml)
1° 1:1000
2° 1:5000 – 1:50000
ELISA化学発光基質
酵素 製品 吸収波長と色 検出下限※ 抗体希釈率※
HRP SuperSignal
ELISA Pico
425nm, Blue/Green ~500 fg/well
(5 pg/ml)
1° 1:1000
2° 1:10000 – 1:50000
HRP SuperSignal
ELISA Femto
425nm, Blue/Green ~170 fg/well
(1.7 pg/ml)
1° 1:1000
2° 1:50000 – 1:100000
ELISA化学蛍光基質
酵素 製品 励起波長 / 発光波長 検出下限※ 抗体希釈率※
HRP QuantaBlu 325nm / 420nm ~500 fg/well
(5 pg/ml)
1° 1:500
2° 1:5000 – 1:20000
HRP QuantaRed 570nm / 585nm ~400 fg/well
(4 pg/ml)
1° 1:1000
2° 1:5000 – 1:20000

※検出下限と抗体希釈率(1 mg/mlからの希釈率)は最適化を始める場合の推奨値です。特定のアッセイにおける抗体希釈率や検出下限を保証するものではありません。

その他バッファー

HRP標識抗体の希釈や保存にはGuardian Peroxidase Conjugate Stabilizer/Diluentが最適です。GuardianはHRP標識抗体またはHRP標識ストレプトアビジンの希釈および保存を目的にした製品です。1-1,000 ng/mlのHRP抗体を室温で6ヶ月、4℃で12ヶ月安定に保管できます。

elisa-reagents-fig2

Guardianで保管(37℃で84日間)したHRP標識抗体(1 ng/ml)の活性。Guardian HRP Stabilizer/Diluentで1:100,000希釈したGoat anti-rabbit HRPを 37℃で保管しました。保管したHRP抗体をTBS/ SuperBlockにより1:5,000,000まで希釈、SuperSignal ELISA Femto化学発光基質を用いたELISAでHRP活性を評価しました。37℃における84日間の加速試験は、4℃での24ヶ月または室温での9ヶ月に相当します。

おわりに

弊社では、前回ご紹介したELISAアッセイ構築に用いるプレートのほか、基質、抗体やバッファー類など、さまざまな製品をご用意しています。ぜひ実験系に合った製品を探してみてください!

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