今回、登場するのは、「TaqMan® Gene Expression Assays」です。もはやプライマーの設計や条件検討は必要ない、というのがこの製品の特徴です。前回にご紹介した「Primer Express®ソフトウェア」も非常に簡便なツールですが、弊社はさらにプライマー設計の手間を省くことのできるソリューションを開発しました。
前回のブログ:TaqMan®かSYBR® Greenかで迷わない|今こそ本気で徹底理解! リアルタイムPCR講座 第18回
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TaqMan® Gene Expression Assays、何ができるの?
デザイン済みのレディーメイドアッセイです。実験データの再現を誰でもできるというメリットをもちます。研究者が論文を出すとき、あるいは別の研究者の論文を参照して実験データを再現するとき、再現性の保障されたアッセイの入手は非常に重要です。このとき、論文に「TaqMan® Gene Expression Assaysを購入し、製造者のプロトコールに従って実験した」という記述とアッセイIDが明記されていれば、再現性は保障されるのです。論文を執筆する立場であれば、わざわざプライマー、プローブの配列を記述する手間がかからないのも大きなメリットです。
TaqMan® Gene Expression Assays、守備範囲は?
ヒト、マウス、ラットに加えてシロイヌナズナとショウジョウバエも加わり、多くのモデル生物を対象として総数280万種以上ものTaqMan®アッセイをご用意しています。もちろん全てのアッセイは、同一のPCR条件で使用できます。公的なデータベースの情報はもちろん、Celera社のオリジナルデータを利用して設計されています。さらに遺伝子発現抑制実験に用いるsiRNA試薬ともリンクしており、ターゲット遺伝子をノックダウンしたい場合にも、目的のsiRNAと発現定量が可能なアッセイを簡単に検索できるのです。
最近では各メーカーから設計済みキットが販売されていますが、ラインナップに制限があるケースや、機種ごとにPCR条件が異なるなど、その使いやすさと信頼性には若干の不安が残ります。また、スプライスバリアントが考慮されていない場合や、PCRプライマーは自分で別に合成しなくてはならない製品も見受けられます。その点、弊社の遺伝子発現解析用のアッセイは、開発当初からリアルタイムPCRシステムとの整合性を考慮してデザインされていますので、安心してお使いいただけます。
これらの製品群をうまく組み合わせれば、まさにシームレスな実験環境が構築できるのですね。次回は、マルチプレックスリアルタイムPCRについて考えます。
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