遺伝子の発現解析には、SuperScript RTを継続的に使用
浅田眞弘 氏(産業技術総合研究所 創薬基盤研究部門 主任研究員)
「この研究所に入所して分子生物学的研究を始めた20年程前から、逆転写酵素はSuperScript RTを使い続けています。新製品のSuperScript Ⅳ RTも試してみましたが、問題なく使えるようなので、新しい実験を始めた時には迷わず使いますね」。こう語るのは、産業技術総合研究所の浅田眞弘氏。経験豊富な糖鎖研究を起点に、多彩なFGFの機能と構造、そして糖鎖との関係を研究してきました。
「様々な細胞増殖因子がありますが、その中でもFGFは22種類もあり、それぞれの作用を研究してきました。最初は糖鎖研究のバックグラウンドを生かして、FGFへ人工的にどんな糖を付けると機能が向上するかを調べました。もともと大腸菌で作らせた糖鎖がないFGFにも活性がありますが、糖鎖が付くことでタンパク質分解酵素に対する抵抗性が高まることが分かりました。また糖鎖を離れて、FGF-1とFGF-2のキメラであるFGFCは、安定性が高いだけでなく、増殖因子としての機能も向上することから、生体へ深刻なダメージをもたらす放射線の影響を調べました。するとマウスの実験から、放射線による生体障害を軽減することが分かり、放射線防護剤の創薬の可能性を示しました」と続けます。
「さらに何種類かのFGF因子は、毛髪の成長にも影響するので、マウスを使って発毛の周期によって遺伝子発現がどのように変化するかを調べたこともあります。この時はmRNAをSuperScript RTで逆転写し、定量的PCRで徹底的に調べました。またFGFは幹細胞培養液への添加物としても重要であり、その観点からも研究を進めています。今後も幅広い視点で研究に取り組みたい」と浅田氏は語ります。浅田氏の縦横無尽に広がる研究をSuperScript RTがこれからも支えていくようです。
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当記事はサーモフィッシャーサイエンティフィックが発刊するライフサイエンス情報誌「NEXT」2016年3月号からの抜粋です。
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