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フロン、代替フロン、ノンフロンの違いとは? 超低温フリーザーを選ぶときに知っておきたい6つのポイント

Written by LATB Staff | Published: 04.02.2017

大切な試薬やサンプルを保存する超低温フリーザー。安心して導入したいですよね?今回は、フリーザーの冷媒として使用されているフロン・代替フロン・ノンフロンの違いや最近よく耳にするSNAP規制など、知っておくべき6つのポイントをまとめましたのでご紹介します。

▼もくじ [非表示]

  • フロンと代替フロン、ノンフロンの違いとは
    • フロン(CFC、HCFC)
    • 代替フロン(HFC)
    • ノンフロン
    • オゾン層破壊係数とは?地球温暖化係数とは?
  • 最近よく耳にするSNAP規制とは?
  • 可燃性のある自然冷媒ガスは安全上問題ない?
  • 考慮するべき性能のパラメーター DOR(ドア開閉後復帰時間)とは?
  • 超低温フリーザーの温度を-70℃設定にすると、省エネ効果とサンプル保管能力の維持を両立できるのか?
  • ノンフロン冷媒ガスを採用し日本における設置環境を考慮した超低温フリーザーTSXシリーズとは?
  • 【無料出張セミナー】安全キャビネット&遠心機ユーザー必見!

フロンと代替フロン、ノンフロンの違いとは

フロン(CFC、HCFC)

CFC、HCFCの分子には構成元素に塩素が含まれており、オゾン層破壊の原因として知られています。各国で2020年までの全廃を目指す規制の対象です。

代替フロン(HFC)

HFCは、塩素を構成元素に含まずオゾン層破壊係数が0です。しかし、二酸化炭素の数百倍から数千倍もの温室効果があり、温暖化係数が高く、地球環境への影響が懸念されています。

ノンフロン

ノンフロンは、炭酸ガス、アンモニア、プロパンガスなどを指す場合がありますが、超低温フリーザーで使用されるのはプロパンガスなどの液化石油ガス類です。これらはノンフロンガスでオゾン層破壊の心配はありません。温暖化係数は代替フロンほど高くはなく、炭酸ガスの3倍程度です。

オゾン層破壊係数とは?地球温暖化係数とは?

  • オゾン層破壊係数(ODP)とは……オゾン層を破壊するもっとも強力なフロン物質CFC-11を1として、各フロン物質のオゾン分子分解能力を示す係数値。下表では、例として、R-22(フロン類HCFC)はCFC-11に対して約1/20のオゾン層を破壊する能力があることを示しています。係数がより小さい方が、オゾン層を破壊する能力が小さい。
  • 地球温暖化係数(GWP)とは……炭酸ガスを1として、フロン類およびその他の温室効果ガスがもつ温室効果に寄与する能力を示す係数値。係数が大きいほど地球温暖化が促される能力が大きい。
冷媒名 冷媒カテゴリー オゾン層破壊係数(ODP) 地球温暖化係数(GWP) 主な用途 安全性
R-12 CFC 1 10900 冷凍全般 オゾン層破壊
R-22 HCFC 0.055 1810 冷凍全般 オゾン層破壊
R-404A HFC 0 3920 冷凍、冷蔵
R-134A HFC 0 1430 冷凍、冷蔵
プロパン ノンフロン 0 3 小型一体式冷凍庫 可燃性
イソブタン ノンフロン 0 3 小型一体式冷凍庫 可燃性
炭酸ガス ノンフロン 0 1 ヒートポンプ 不燃性

冷凍装置などでよく使用されている代替フロンR-404A(GWP:3920)500gを大気中に放出することは、炭酸ガスを約1.8トン放出することと同じになります。この量は4人家族の1家庭の電気を1年分作るために火力発電所で放出される炭酸ガスとほぼ同じ量になり、地球の温暖化を促進させます。

最近よく耳にするSNAP規制とは?

SNAPとは、Significant New Alternatives Policy(重要新規代替品政策)の頭文字をとった略号です。EPA(米国連邦環境保護局)によって定められた連邦大気浄化法の一部で、SNAPは以下のことを目的としています。

  • これまで使用されてきたオゾン層破壊物質を特定し、評価すること
  • 現存する物質と新規物質が人と環境へ与える影響を監視すること
  • 一般消費者によって使用可、不可の物質をリストとして評価すること
  • 環境に配慮した使用可能物質の利用を促進すること
  • 物質がもつ人体や環境への影響度合を公に通知すること

可燃性のある自然冷媒ガスは安全上問題ない?

SNAP承認リストには冷蔵冷凍装置に対し、プロパンとエタンの自然冷媒ガスの利用が認められています。最新のSNAP承認リストでは、プロパンを-70˚Cや-80˚Cの超低温フリーザー用に利用可能と修正されています。これらは可燃性のガスであるため、冷凍冷蔵用途での使用時の安全性への対応がもとめられ、製造や試験における要件が米国だけでなく各国の安全性基準に合致することも求められます。
(日本においてはJISにおいて規格が定められています。)

安全性試験に合格したすべての超低温フリーザーには、UL※安全マークをつけて流通させることが許可されます。ULのテストでは、極めて厳正な冷媒ガス漏れ試験を実施し、この試験によって、設計の確かさを確認でき、冷媒ガスの漏れが極めて起こりにくい安全に配慮された装置であることを示しています。
※Underwriters Laboratories(以下、UL)とは安全性基準や安全性試験における工業界でのリーダーです。

考慮するべき性能のパラメーター DOR(ドア開閉後復帰時間)とは?

製品仕様に記載のプルダウンタイムとは、装置納入後や除霜を行った後に、再起動して設定温度(典型的に-80˚C)に達するまでの時間を示しています。これはフリーザーの内部にサンプルが保管されていない状態でのスペック値です。プルダウンタイムはフリーザーの性能を示すパラメーターというより、むしろ起動時のエネルギー消費効率のパラメーターとみなされることがあります。

より重要なスペック値として考慮されるべきなのはDOR(ドア開閉後回復時間)です。

典型的な利用ケースでは、超低温フリーザーは一日に2~4回程度開閉されますが、20回程度開閉される場合もあります。ドアを開けるたびにフリーザー本体とサンプルがフリーザー外部の外気に晒され、非常に大きな熱負荷を受けます。日常的なドア開閉による熱上昇から温度復帰させ、庫内を低温で安定に保つために、迅速かつ効果的に冷却性能を調節する能力がDORで測れます。

超低温フリーザーの温度を-70℃設定にすると、省エネ効果とサンプル保管能力の維持を両立できるのか?

超低温フリーザーの温度を-80˚Cから-70˚Cにしたときの、一番の利点が省エネです。多くの研究ラボでは、環境保護に対する対策を求められていて、エネルギー消費量は、その達成度を測るための重要な評価項目です。超低温フリーザーを-70˚Cで運転すると、消費電力は約30%削減されます。

例えば、DNAのような核酸類のサンプルは-20˚Cから-70˚Cで安全に保管されます。保管期間によってはほとんどのタンパク質類のサンプルも-70˚Cで安全に保管できます。バクテリアやウイルスなどは-65˚Cから-70˚Cで15年以上安定した保管が可能です。

今日、CDC(米国疾病予防管理センター)のような主導的な公的研究機関などでも-70˚C設定の超低温フリーザーでDNA / RNAからバクテリア、精製タンパク質、酵素などを保管しています。

ノンフロン冷媒ガスを採用し日本における設置環境を考慮した超低温フリーザーTSXシリーズとは?

Thermo Scientific™ TSXシリーズノンフロン超低温フリーザーはサンプル保管性能、エネルギー消費の削減、環境に優しい性能を備えた製品です。

Thermo Scientific™ TSXシリーズのノンフロン超低温フリーザーは、ノンフロン冷媒ガスの採用と特許技術の V-drive 可変スピードコンプレッサー制御と優れた断熱効果で温度均一性と安定性を提供します。また、消費電力を約50%削減し、ランニングコストを抑えCO₂排出削減にも貢献します。ノイズも少なく100V 15A 50/60Hz電源でラボ内での設置しやすくなりました。TSXシリーズが安定保管と地球環境、作業環境への配慮の両立の実現に貢献します。
製品の詳細はこちら

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