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Accelerating ScienceLearning at the Bench / 細胞培養・イメージング / 【事例紹介】細胞イメージアナライザーを用いた細胞遺伝毒性(小核試験)の自動測定

【事例紹介】細胞イメージアナライザーを用いた細胞遺伝毒性(小核試験)の自動測定

Written by LATB Staff | Published: 03.06.2016

近年、細胞生物学分野のさまざまな研究は、数々の病態に対する新しい治療法の開発に重要な技術として更なる注目を集めています。弊社の細胞イメージアナライザーは、細胞撮影画像から各種情報を数値化することにより、定量的で客観的な細胞解析(HCA/HCS)を可能とする測定機器です。今回は、代表的な細胞遺伝毒性試験である小核試験のHCAによる自動測定例をご紹介いたします。

▼もくじ [非表示]

  • はじめに
  • 小核試験BioApplicationを用いた小核の自動測定
  • まとめ
  • 参考文献

はじめに

遺伝毒性試験は、化学物質の持つ発がん性や遺伝障害を短期間で予測するためのスクリーニング試験であり、医薬品、化粧品、農薬、一般化学品等の新規登録申請に関する法規・ガイドラインに定められた化学品安全性試験の一つです。実際の試験法としては、Ames試験、遺伝毒性試験、反復投与毒性試験などが行われており、特に遺伝毒性試験では、小核試験(1,2)などに代表されるさまざまな手法が採用されていますが、実際の測定は、測定者がサンプルを顕微鏡で観察し、目視で行っています。

弊社細胞イメージアナライザーは、この小核試験の測定を自動的に行うBioApplication(解析アルゴリズム)を搭載しています。今回は、弊社細胞イメージアナライザーとBioApplicationを用いた、HCAによる小核試験の自動測定例を示します。

小核試験BioApplicationを用いた小核の自動測定

細胞イメージアナライザーで撮影された、化学物質を暴露されたCHO-K1細胞の蛍光画像、およびBioApplicationを用いた細胞/小核の認識画像を図1に示します。細胞は撮影と同時に解析され、細胞ごとに核の数、小核の大きさや数が認識されます。撮影と同時に解析されるため、たとえば、画像を撮影しながら、「視野内の2核を有する細胞を2000個以上測定するまで撮影を続け、その中で小核をもつ細胞の割合を即時算出」といった測定を自動的に実行させることが可能です。

CHO-K1細胞へMitomycin C およびBleomycin投与したサンプルを用いて自動測定を行い、小核出現率の用量反応曲線としてデータをグラフ化したものを図2に、Mitomycin C投与、Bleomycin投与およびコントロールサンプルの小核出現率、単核/複核割合およびサンプル中のダメージを受けた細胞の割合を図3に数値で示しました。

cell-image-analyzing6-fig1

図1 化学物質を暴露されたCHO-K1細胞の蛍光画像。Collagen-Iコートされた96wellプレートにCHO-K1 細胞を3000細胞/Wellで播種し、一晩培養しました。その後、各濃度の化学物質を添加し24時間後の細胞を固定、ヘキスト染色し、細胞イメージアナライザーで20倍対物レンズを用いて撮影を行いました(左図)。撮影された画像は小核試験BioApplicationを用いて解析され、主核と小核を認識(右図青色で囲まれた核が主核、ピンク色が小核)させました。また、OECDガイドラインに則って2核の細胞のみをターゲットと設定し、小核出現細胞の存在率を自動算出させています。黄色で囲まれた細胞は2核細胞を示しています。

cell-image-analyzing6-fig2

図2 Mitomycin C およびBleomycin投与したサンプルを用いて自動測定を行った小核出現率の用量反応曲線。CHO-K1細胞を用い、サンプル作製は図1と同様に、添加化学物質の濃度を振って行いました。X軸は各化学物質の添加量、Y軸はターゲット細胞(2核細胞)における小核出現頻度を示しています。各ポイント6Wellずつサンプルを作成(n=6)し、これらのMean値および標準偏差をポイント/エラーバーとして表示しています。

cell-image-analyzing6-fig3

図3 Mitomycin C 投与、Bleomycin投与およびコントロールサンプルの小核出現率、単核/副核割合およびサンプル中のダメージを受けた細胞の割合を示しています。実験条件などは図1および図2と同様です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

細胞イメージアナライザーを用いた解析では、ターゲットとする細胞の核数、測定細胞数、小核数、主核/小核のサイズ比などをユーザーが試験に合わせてフレキシブルに設定することが可能です。弊社細胞イメージアナライザーとBioApplicationを用いた小核試験の自動測定によって、より客観的で均一性の高い結果を得ることが可能となります。

細胞イメージアナライザーの詳細はこちら

参考文献

  1. Maier, P., and W. Schmid. 1976. Ten model mutagens evaluated by the micronucleus test. Mutation Research 40: 233-246.
  2. Hayashi, M., Sofune, T., and M. Ishidate. 1984. A pilot experiment for the micronucleus test. The multi-sampling at multi-dose levels method. Mutation Research 141:165-169.

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