DX化が医薬品業界にもたらす影響
医薬品の製造に携わる企業にとって、あらゆる情報やワークフローが一つに管理されたラボ(研究所)を持つことは、とても大きなメリットがあります。ラボでのデジタルトランスフォーメーション(DX)を行うことで、医薬品の製造を行う製薬企業は、組織におけるデータサイロの発生を防ぎ、ラボの生産性を向上させることができます。それにより、そこで働く研究者たちは、より付加価値の高い仕事を行うことができるようになるのです。
Pharma Manufacturingの記事(P34~)では、弊社のMoussa Saleh博士およびChristian Mueller博士が、医薬品製造におけるDXの事例をまとめています。そこでは、医薬品製造を行うラボが、インフラの構築を行う際にしばしば直面する、データインテグリティの問題や生産性の低下といった共通課題、そして、その課題がもたらす影響について紹介しています。また、医薬品製造においてDX化を進めることが、組織内でのデータサイロや非連携のシステムの発生といった課題を克服するため、いかに重要かということについて、詳しく説明しています。
医薬品研究開発におけるDX化の事例
Saleh博士とMueller博士は記事の中で、大手製薬会社における最新の事例を詳しく調査し、紹介しています。この製薬会社では、化学製品および医薬品開発(CPD)部門に、相互に連携されていない6種類のシステムと、ネットワーク連携されていない1,000台以上の装置がありました。彼らは、各実験室や部署間での異なるワークフローを統一化し、LIMSの使用を強化すべく、DX化に取り組みました。そして、組織内におけるすべてのシステムを取り込み、総合的なデータ戦略を構築したのです。この製薬会社はラボのデータやワークフローの管理のために、Thermo Scientific™ SampleManager LIMS™ソフトウエアを選び、それを社内の基幹システムや装置・機器と連携させました。また、ラボで使用されている装置や機器だけでなく、パッケージ提供されているLIMS、ELN、CDS、SDMSも相互に連携して使用できるよう、構築を行いました。
医薬品製造におけるDX化まとめ
この製薬会社のラボでは、DX化によりデータが統合され、約20%の業務効率の改善を達成し、併せてデータ管理の品質と完全性も向上させることができました。また、データの転記によって発生しやすい記載ミスなども防ぐことができ、プロセスの履歴も残すことができるようになりました。それによって、リスク監査を含むすべての監査に対して、完全性を証明できるようになったのです。
製薬企業向けのLIMSをはじめとした弊社のソリューションの詳細は、以下をご覧ください。
研究用にのみ使用できます。診断目的およびその手続き上での使用はできません。