医薬品の製造過程における品質保証/品質管理向上のために
現在世界中の製薬会社や医薬品製造受託機関は、ウイルス感染症の治療薬やワクチンの開発・生産に対して、これまで以上に迅速に対応することが求められています。
ラボラトリー情報管理システム(LIMS)は、製薬医薬品の製造過程における品質保証や品質管理を始めとしたワークフローを効率化することができる一方で、システムの実装までには多くの時間が必要となります。そのためLIMS導入後、早期に現場の生産性効率向上を実現させるため、いかに短い期間でシステムを実装することができるか、という点が重要です。
サーモフィッシャーサイエンティフィックは、医薬品の製造過程においてQA(品質保証)QC(品質管理)を行うラボ向けに、特別に開発されたパッケージ型の製薬ソリューションを提供しています。また、導入やバリデーションのプロセスを、短い時間で行うことができるように設計している点も、特長のひとつです。
サーモフィッシャーサイエンティフィックが提供している、Thermo Scientific™ SampleManager LIMS™ ソフトウエアは、世界のトップ10社の製薬会社の約半数をはじめとした世界中のさまざまな企業で導入されている、ラボ向けのソリューションです。
導入しやすいLIMSの必要性
一般的なLIMSと比較して、稼働までの時間を大幅に短縮させることができる点が、 SampleManager LIMS ソフトウエアの特長でもあります。これは、溶解、試薬の管理や安定性試験など、業界標準でワークフロー上必要な機能が、すべて事前にシステム上で構成されているためです。
一般的にこのようなソフトウエアの導入には、カスタマイズが必要になるケースが多々あります。カスタマイズを行った場合、そのための開発の期間が必要になるだけでなく、将来的にシステムの維持が難しくなったり、維持コストが増える場合があります。より少ないカスタマイズでLIMSを導入することで、将来的なサポートやシステムのアップグレードにも、対応しやすくなります。
SampleManager LIMS ソフトウエアは、製薬企業のQC(品質管理)におけるサンプルのレビューや、承認のプロセスなども簡単に行うために設計されています。権限を許可されたユーザーに対して、必要なサンプルの審査のステータスを明確に表示したり、例外的なレビューを行うこともできます。
また、SampleManager LIMS ソフトウエアに搭載されているラボ実行システム(LES)は、SOP(標準作業手順書)を利用して、作業手順をステップごとに設定します。あらゆる操作の完全な監査証跡を残すこともでき、プロセスの完全性を推進することができます。
規制に対応する必要がある環境下で使用するためには、どのLIMSも必ず「バリデーション」が必要になります。「事前バリデーション済み」のものはありません。そのため、導入するソフトウエアはあらゆる箇所で、バリデーションの実施が必要となり、固有のプロセスや製品に合わせて設計される必要があるのです。ただ、SampleManager LIMS ソフトウエアを使うことで、このLIMS導入の際のバリデーションに要する時間やコストを、大きく削減することができます。
SampleManager LIMS ソフトウエアの製薬向けソリューションには、このバリデーションのプロセスを促進するためのドキュメント、スクリプト、ガイドライン、指導が含まれています。たとえば、構成済みのシステム・インストールキットや、IQ(据付時適正確認)、標準のOQ(運転時適格性確認)のスクリプト、そして、業界固有の機能に対して事前に実行されたOQのスクリプト、およびOQやPQ(稼働時適格性試験)のスクリプト・テンプレートなどが、すべて提供されます。このSampleManager LIMS ソフトウエアにパッケージ化されたバリデーション・プロセスを活用することで、OQにかかる時間の約90%、PQにかかる時間の約50%を削減することができるのです。
医薬品の製造における品質管理・品質保証の向上のために
サプライチェーンの最適化を考えている製薬企業にとって、LIMSの導入は必要不可欠なステップであり、デジタルトランスフォーメーション(DX)の基礎になります。経験豊富な弊社のLIMSの実装サポートチームと、業界に特化したシステム構成、そして、バリデーションのパッケージといったソリューションによって、お客さまのLIMSの導入時間を大幅に削減し、品質管理や品質保証を早期に実現することができます。またこれにより、医薬品やワクチンを生産する企業は、市場のニーズに対して、迅速に対応することができるようになるでしょう。
製薬企業向けのLIMSをはじめとした弊社のソリューションの詳細は、こちらをご覧ください。
研究用にのみ使用できます。診断目的およびその手続き上での使用はできません。