略語表
FLC | 遊離L鎖(free light chain) |
IFE | 免疫固定法(immunofixation electrophoresis) |
IMWG | 国際骨髄腫作業部会(international myeloma working group) |
SPEP | 血清タンパク電気泳動法(serum protein electrophoresis) |
UPEP | 尿タンパク電気泳動法(urine protein electrophoresis) |
Introduction
形質細胞は白血球の一種で、身体が感染症と闘うのを補助する役割を果たします。遊離L鎖(Free Light Chain, FLC、遊離軽鎖やフリーライトチェーンとも呼ばれます)は、形質細胞が抗体を産生する際に作られるタンパク質です。多発性骨髄腫は1つの細胞が制御不能に分裂し始める骨髄形質細胞のがんです。すべてのがん細胞は元をたどると同じ細胞に由来しているため、これらの細胞は単クローン性形質細胞と呼ばれます。単クローン性形質細胞は、健康な形質細胞と同じように抗体を分泌しますが、同じ形質細胞クローンに由来するため、単クローン性タンパク質と言われます。血清遊離L鎖(FLC)検査では、血清中の2種類の遊離L鎖、κ(カッパ)およびλ(ラムダ)の濃度を測定し、その比を算出します1,2,3。
血清遊離L鎖(FLC)アッセイは、血清中の遊離L鎖濃度やκ/λ比を測定するために使用される定量的な検査です
なぜ重要なのか?
多発性骨髄腫のうち、IgG型、ベンスジョーンズ型、微量分泌型および非分泌型多発性骨髄腫などの診断補助にお使いいただけます4,5。
その他、ALアミロイドーシスやワルデンシュトレームマクログロブリン血症の診断補助にも役立ちます。
血清FLCの定量を行い、κ/λ比などを算出することで、疾患の状態をより詳細に確かめることが可能となります3,4,6,7,8。
FREELITE製品は日本国内で使用可能な体外診断用医薬品として認証を取得しています
また、CEマークとFDA 510(k)を取得しています
モニタリングのガイドライン
血清FLC測定は、国際骨髄腫作業部会(IMWG)により多発性骨髄腫の診断およびモニタリングの補助として推奨されています。腫瘍に関与するFLCと関与しないFLCの比(腫瘍に関与するFLCが100 mg/L以上の場合)は「悪性腫瘍のバイオマーカー」のひとつであり、異常がある場合には多発性骨髄腫が疑われます。FREELITE製品は、推奨値*を定めるために使用されたアッセイとして、当該ガイドラインで具体的に言及されています4,5。※
多発性骨髄腫のモニタリングに関するガイドラインでは、血清M蛋白が10 g/L未満、尿中M蛋白が200 mg/24時間未満である場合、患者の治療に対する効果を評価するために血清FLC検査を用いるべきであることも推奨しています4,5,9。
*骨髄腫診断事象(Myeloma defining events, MDE)のうち、SLiM基準(骨髄形質細胞の割合、血清FLCの比、MRI異常の有無)のみが該当する場合、治療が行われるかどうかの決定は症例によって異なります。
※日本国内では、血清中免疫グロブリン遊離L鎖κ型、λ型の測定(単クローン性ガンマグロブリン血症の診断の補助)として承認されています。
血清遊離L鎖(FLC)アッセイは単独で診断が可能なものではありません。診断を確定するためには、他の検査や臨床評価と併用する必要があります1,2,3,7,8,14。
お問い合わせについて
FLC | 遊離L鎖(free light chain) |
IFE | 免疫固定法(immunofixation electrophoresis) |
IMWG | 国際骨髄腫作業部会(international myeloma working group) |
SPEP | 血清タンパク電気泳動法(serum protein electrophoresis) |
UPEP | 尿タンパク電気泳動法(urine protein electrophoresis) |