Thermo Scientific Pierce共免疫沈降（Co-IP）キットは、共有結合による抗体固定化を用い、最終産物に抗体の干渉を及ぼすことなく、適切に制御したCo-IP実験を実施するために必要となるすべてのコンポーネントを提供します。

Co-IPはタンパク質間の相互作用を研究するための一般的な手法であり、抗体を使用して抗原（ベイトタンパク質）を免疫沈降させ、相互作用するタンパク質（プレイタンパク質）を共免疫沈降させます。Protein AまたはGを使用する従来のCo-IP法では、抗体の重鎖と軽鎖が共溶出し、関連するバンドと共に移動してしまい、重要な結果が明確に得られなくなることがあります。Pierce Co-IPキットでは、アミン反応性レジンに抗体を共有結合させることで、この問題を解決します。このキットには、タンパク質の結合および回収用に最適化されたバッファー、コントロール実験を実施するための各種試薬のほか、プロトコルを短縮し、処理と混合操作を最小限に抑える効率的なスピンカラムおよび収集チューブが含まれます。

共免疫沈降キットの特長：

•さまざまな精製抗体に適合 — 生物種やIgクラスを問わず、さまざまな精製抗体を使用した共免疫沈降実験が可能（チキンIgY、ヒトIgE、マウスIgG1、IgMなど）。Protein AおよびProtein Gのアフィニティー結合に依存しない
• 抗体干渉なし — 共有結合法と非還元溶出システムを用いることで、IP抗体による汚染を生じさせず、純粋なCo-IP産物を生成
• 再利用可能な抗体ビーズ — 共有結合による抗体固定化では、調製したIPレジンを再利用でき、抗体にかかるコストを節約可能
• 包括的なキット — 抗体を固定化し、IP実験を何度も実施するために必要なすべての試薬（結合バッファー、洗浄バッファー、溶出バッファー）、およびレジン操作をより簡便に、より効率化するマイクロ遠心分離スピンカラムを同梱
•コントロールビーズを同梱 — 非特異的結合のネガティブコントロールとして使用するための非誘導体化アガロースビーズを同梱
• 汎用性 — Co-IP法は、特異的な抗体-抗原複合体およびタンパク質相互作用複合体に適合する、生理的（非変性的）なあらゆるタンパク質サンプルバッファーに対応

共免疫沈降（Co-IP）は、タンパク質の相互作用を発見するために一般的に使用されるin-vitro手法です。Pierce共免疫沈降（Co-IP）キットは、トラブルの元となるIP抗体が含まれない、純粋なIPおよびCo-IP産物を生成するCo-IP実験を効率的に実施するために必要となる各種ツールを提供するように構成されています。Protein A/GアガロースビーズをAminoLink Plusレジンに置き換え、従来のCo-IP技術を改良したキットであり、純粋なIP抗体がこのレジンに直接、恒久的に結合します。穏やかな（非還元、非変性）溶出バッファーにより、アガロースビーズ上に固定化された抗体はそのまま保持しつつ、IP標的を解離できます。この結果、抗体による干渉を受けることなく、ウェスタンブロッティング（またはシーケンシング）によって分析可能な純粋な生成物が得られます。

IP抗体による汚染を排除できるだけでなく、Pierce共免疫沈降キットに組み込まれた抗体結合法により、Protein AおよびProtein Gを使用した従来の手法で生じうる非特異的結合の相互作用や浸出による汚染も回避できます。この結合法では、BSA、ゼラチン、またはその他の保存用タンパク質安定化剤を含まないアミンフリーのバッファーに開始抗体を添加する必要がありますが、Protein AまたはProtein Gに依存しないという事実は、どのような抗体種やクラスでも免疫沈降法に使用できることを意味します（IgM、チキンIgYなど）。実際に、精製されたタンパク質はすべて、固定化して結合パートナーのアフィニティー精製に使用できます。