Pierce™ Cell Surface Biotinylation and Isolation Kit

Thermo Scientific Pierce細胞表面タンパク質ビオチン化および単離キットは、細胞膜タンパク質の選択的ビオチン化、可溶化および濃縮を可能にします。

細胞表面タンパク質ビオチン化および単離キットの特長は以下のとおりです。
•性能向上 — キットおよびプロトコルは、細胞内タンパク質の汚染を最小限に抑えつつ、ビオチン化された細胞膜タンパク質の濃縮および抽出性能を向上するために再設計されています。
• 最適化 — 処理時間を短縮し、ステップ数を削減するためにプロトコルが刷新され、性能向上のために試薬組成が最適化されています。
• 適合性 — MSサンプル調製のために提供されている追加指示により、試薬は浮遊細胞株および接着細胞株で検証されています。
• 検証済みアプリケーション — 試薬および手順は、ウェスタンブロッティングおよびMSアプリケーションに適合します。

この使いやすいキットは、細胞表面タンパク質の最適な標識化とその後の単離に必要なすべてのコンポーネントと手順を提供します。バッファーは一貫性の高い結果を得るために調製済みで提供されます。哺乳類細胞は、チオール切断可能なアミン反応性ビオチン化試薬である EZ-Linkスルホ-NHS-SS-ビオチンで最初に標識されます。その後で細胞は溶解され、標識タンパク質がNeutrAvidinアガロースで捕捉されます。ビオチン標識のジスルフィド結合を低減するためにジチオスレイトール（DTT）が溶出で使用され、ビオチン標識なしの結合タンパク質が放出されます。このキットには、85～95％コンフルエントの15 cmディッシュ2枚または75 cm² フラスコ4本で構成される8回の実験に十分な試薬が含まれています。

細胞表面タンパク質は、細胞タンパク質の重要なサブセットを代表するものであり、シグナル変換、細胞接着およびイオン輸送で重要な役割を果たします。これらのタンパク質は、複数の膜貫通ドメインがあるため、効率的に抽出および単離することが困難です。多くの場合、効率的な抽出に必要な強烈な界面活性剤や条件によって、単離後の細胞膜タンパク質の変性および汚染が生じます。その代わりに、本キットでは、利用しやすいリジンで細胞表面タンパク質を効率的に標識するために膜不透過性、アミン反応性のスルホ-NHS-SS-ビオチンが使われています。溶解、捕捉、洗浄および溶出条件は、細胞内タンパク質の汚染を最小限に抑えつつ、効率的な濃縮および単離のために最適化されています。

プロトコルは、接着細胞や浮遊細胞などのさまざまな哺乳類細胞株での使用に最適化され、処理細胞と未処理細胞間または複数の細胞株間での差次的発現解析に有用です。細胞表面タンパク質単離の選択性および効率は、ウェスタンブロッティングとLC-MS分析によって検証されています。