ARCAとは Anti-Reverse Cap Analog(ARCA)は修飾されたキャップアナログであり、3' OH基(m7Gに近い)がOCH3に置換されています(概略図参照)。この置換により、RNAポリメラーゼは残りのヒドロキシル基からしか転写を開始できないため、ARCAは前方方向でのみ取り込まれます。その結果、5'末端にARCAを持つ合成された転写産物は100%翻訳可能であり、翻訳に対する強い促進効果をもたらします。
in vitro転写されたRNAの適切なキャップ付加 RNAの適切なキャップ付加により、タンパク質合成の適切な開始に加え、in vivoでのmRNAの安定性と処理が促進されます。キャップ構造を持たないRNAは、細胞へのマイクロインジェクションまたはトランスフェクションの際に、細胞注のRNaseによって急速に分解されてしまいます。また、キャップ構造を持つRNAは、in vitro翻訳系においても翻訳効率が向上するのが一般的であり、機能的な方向でのみ取り込まれたキャップアナログを持つRNAが生成されます。そのため、従来のキャップアナログの代わりにARCAを使用することで、100%翻訳可能なキャップRNAが合成されます。