デジタルPCR による NGSのワークフローの改善

デジタル PCR で NGS ライブラリ定量の ワークフローとコストを削減

デジタル PCR は、次世代シーケンサ(NGS)のライブラリを最小限のサンプル処理で定量することが可能です。絶対定量ができるデジタルPCRでは標準曲線を作成する必要はありません。デジタルPCRは、Ion Torrent™ などのワークフローに不可欠なライブラリを正確かつ精密に定量するので、ダウンストリームの配列解析がきわめて円滑に進みます。高精度の定量を実現するため、各ライブラリに特異的なフォワード / リバース アダプターの配列をデザインした TaqMan® Assay もご用意しました。

専用のTaqMan® Assay を利用すれば、両端のアダプター配列を含むフラグメントのみを定量することができます。NGS のライブラリの定量にデジタル PCR を使用すれば、簡単なワークフローと最小限のコストで正確な定量を行うことができます。優れた精度のライブラリの定量は、NGSの最高のパフォーマンスを引き出し、ワークフロー全体的にコストを削減することができます。

図 1. QuantStudio® 3DデジタルPCRシステムで NGSの ライブラリを定量するためにデザインされた TaqMan® Assay の概略図 TaqMan® Assay には、フォワード プライマー、リバース プライマー、TaqMan® プローブが含まれています。これらはすべて Ion Torrent™ などの次世代シーケンサ のライブラリのアダプターに相補的な配列となっています。

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図 2. QuantStudio® AnalysisSuite™ ソフトウェアが多様なライブラリ タイプのコピー数/µLを算出 このソフトウェアは、チップを解析する際に希釈係数を考慮します。エラー バーは、各サンプルの信頼レベル 95% を示しています。また赤い点線で示すデータは、サンプル L787 を2枚のチップで反復して反応しています。

Sample nameLibrary type (size)Concentration determined by digital PCRTemplated beads pre-enrichment
L7734Fragment (276 bp)3.32 nM12.1%
L4800

Fragment (489 bp)

1.12 nMv13.6%
L2444Fragment (322 bp)11.03 nM10%

表 1: QuantStudio® 3D デジタルPCR のデータと Ion OneTouch™ 2 のデータの関連性
この品質管理データは、3つの Ion Torrent™ ライブラリを対象に、濃縮前にフロー サイトメトリーによって回収しました。

図 3. QuantStudio® AnalysisSuite™ ソフトウェアによる small RNA (A) と Nextera (B) の 解析画面
Chip viewは、読み取ったウェルのうち増幅のあったウェル(VIC)となかったウェルを色分けし、それぞれの分布を示しています。チップ上で VIC シグナルがランダムに分布している状態が理想的です。Histogram viewは、2 つのデータ群に分かれています。大きな黄色の群は、増幅のなかった(蛍光シグナルの低い)ウェルを示し、小さな赤色の群は、増幅のあった(蛍光シグナルの高い)ウェルを示しています。増幅のなかった群とあった群が明確に分かれていることから、高い識別能力が証明されました。

図 4. QuantStudio® 3D デジタルPCR のデータと Illumina® のクラスター密度の関連性
(A) グラフは QuantStudio® 3D デジタルPCRシステムで測定した 5 つの Illumina® ライブラリの濃度(nM)を示しています。
(B) HiSeq が分析した同じライブラリのクラスター密度を示しています。ライブラリ# 2 はデジタルPCRで測定した濃度が低いことからも、クラスタリングが良好なことがわかります。

Quantifying Illumina Next-Gen Sequencing Libraries using digital PCR on the QuantStudio™ 3D

Peter Schweitzer, PhD, Director of the Genomics Facility at Cornell University, Ithaca, New York

参考文献