ANCA 関連血管炎(AAV)は、ANCA(抗好中球細胞質抗体)が病態に関与していると考えられている血管炎で、腎臓、肺、神経系など様々な臓器に障害がみられます1。
各臓器障害の出現順序や合併の頻度は症例により異なるため、各臓器障害の早期所見を見逃さないことが、患者様の予後の改善に極めて重要です2。抗好中球細胞質抗体(anti-neutrophil cytoplasmic antibody: ANCA)に関連するANCA関連血管炎(ANCA-associated vasculitis: AAV)には、多発血管炎性肉芽腫症(granulomatosis with polyangiitis: GPA)、顕微鏡的多発血管炎(microscopic polyangiitis: MPA)、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(eosinophilic granulomatosis with polyangiitis: EGPA)が含まれます3, 4。これらの疾患では重篤な炎症が発生することがあり、その場合は早期に治療を開始することが必要です5。
疾患の全体像を把握し、具体的なANCA関連血管炎の種類を特定するためには、臨床症状および検査所見が極めて重要となります。患者さんの予後を最善にするために積極的な治療を必要とする場合が多く、早期発見と正確な診断がきわめて重要です6, 7。
グッドパスチャー症候群(goodpasture’s syndrome: GPS)は、抗GBM抗体(抗糸球体基底膜抗体)によって引き起こされる腎臓や肺の毛細血管に炎症をきたす稀な疾患です8。
多くの場合、鑑別診断と迅速な治療決定を行うために、MPO-ANCA、PR3-ANCA、抗GBM抗体の検査は重要です5。
ANCA関連血管炎、グッドパスチャー症候群に関連する自己抗体検査試薬
エリア MPOs-ANCAとエリア PR3s-ANCAは、アンカー法を採用し、特異度(それぞれ99.3%、98.0 %)と感度(それぞれ55.0%、79.0%)を実現した完全自動検査です9。エリア のANCA検査試薬は、ラボでの効率的な運用と信頼性の高い結果を提供します。また、エリア のANCA検査試薬は国際標準品に準拠しており、国際単位であるIU/mL を採用しています。
抗GBM抗体は、グッドパスチャー症候群の診断マーカーで、特異度は極めて重要です。ある研究では、アッセイの特異度を高めることにより(グッドパスチャー症候群に対して最大100%)、腎組織に対する間接蛍光抗体法と精製GBM抗原を使用したELISAの両法に対し、優れた臨床性能を達成できることが示されました10。 これは、臨床での判断を導く、信頼できる結果につながります。
ANCA関連血管炎の患者さんの一部に抗GBM抗体を保持している場合があり、一方、多くのグッドパスチャー症候群の患者さんはMPO-ANCAを保持している場合があります7。エリアの自己抗体検査は、完全自動化された1台のファディアシステムを用いて、1つのサンプルから複数種類の自己抗体検査を効率的に実施できます。また、ランダムアクセス機能を搭載しているファディアシステムでは、検体到着と同時に検査オーダーを追加できるため、検査の所要時間を短縮できます。