ハシバミ(ヘーゼルナッツ)などのナッツ類に対するアレルギーは一般的で、多くの場合重度の症状を示します。これらのタイプのアレルギーは通常2歳までに発症し、アレルギーを起こすナッツ類の数は、年齢とともに増加することがあります1。ナッツ類のアレルギーを持つ人の約30%は、複数のナッツに対するアレルギーを持っています2。また、ピーナッツは実際にはマメ科植物ですが、ピーナッツアレルギーを持つ人の約20~30%は、1種類以上のナッツにアレルギーを持っています2。また、残念ながら、他の食物アレルギーと比較して、これらのアレルギーを克服できる可能性は低く、感作された人の約10%に限られています1。
ナッツ類アレルギーの大半は、クルミ、アーモンド、ピスタチオ、カシューナッツ、ペカンナッツ、ハシバミ(ヘーゼルナッツ)、マカダミアナッツ、ブラジルナッツ、松の実の9種類に起因します1。ハシバミ(ヘーゼルナッツ)は、filbert、cobnut、hazelとしても知られており、カバノキ科に属する約15種の低木や高木から採れる食用のナッツです3。ハシバミ(ヘーゼルナッツ)は、ペストリーやチョコレート、ヌテラなどのナッツバターによく含まれています1。ハシバミ(ヘーゼルナッツ)は広く使用されている一方、ヨーロッパではもっとも一般的なナッツアレルゲンです2。さらに、ある研究によると、米国、西ヨーロッパ、オーストラリアのハシバミ(ヘーゼルナッツ)アレルギーの有病率は7.2%(カバノキ花粉への感作を含む)と報告されています4。
ハシバミ(ヘーゼルナッツ)は、クッキー、プラリネ、刻んだナッツのブレンド、ナッツスプレッド、ケーキ、ペストリー、チョコレート、菓子製品、アイスクリーム、朝食用シリアル、パンなど、多くの食品に含まれています。さらに、ヘーゼルナッツオイルは調理に使用できます7。
次の食品には、ナッツ類や種子が含まれている場合があります4。焼き菓子、ベーキングミックス、バーベキューソース、ペストソース(具材をすりつぶしてペースト状にしたソース)、シリアル、チョコレート、プラリネ、クラッカー、ドレッシング、グレービー、フレーバーコーヒー、冷凍デザート、ミューズリー、ヌガー、アーモンドチキン、パッタイ、チリアーモンド、マスのアーモンド焼き、ジャンドゥーヤ(ヘーゼルナッツ入りチョコレート)、マジパン(アーモンドペースト)、アーモンドミルク、ナッツミルク、ナッツオイル、スプレッド(チーズスプレッド、ヘーゼルナッツを含むヌテラなどのチョコレートナッツスプレッドなど)、ベジタリアン料理、インドカレー、アジア料理、パスタ、リキュール(アマレットやフランジェリコなど)、天然香料および抽出物(アーモンド抽出液など)、サラダ、トレイルミックス、スナック食品。
また、「天然フレーバー」や「植物由来」という言葉は、ナッツやナッツの香料が入っていることを示している可能性があります5。アジア料理のレストランでは料理にナッツや種子を使用することが多いため、特に問題となる場合があります。また、複数の食事の調理に同じ鍋が使用される可能性があるため、混入のリスクをはらんでいます8。
食品以外でナッツ類を含む可能性があるものには、次のものがあります4:ビーンバッグ(布地の中に穀物や粒を詰めたもの。お手玉やクッションとして使用されている)、鳥のエサ、化粧品、ヘアケア製品、日焼け止め、マッサージオイル、ペットフード。特に、一部のヘーゼルナッツオイルは、食品、香水、石鹸に使用されています3。
ハシバミ(ヘーゼルナッツ)アレルギーを持つ人の中には、無関係に見える他の食物を食べたときに症状を発症する人もいます。これは交差反応と呼ばれ、身体の免疫系が異なる物質中のタンパク質や成分を構造的に類似しているか生物学的に関連していると判断し、反応を引き起こすときに発生します。ハシバミ(ヘーゼルナッツ)との交差反応をもっとも起こしやすいのは、ナッツ類、果物、大豆、野菜、マメ科植物などの植物性食物です4。
ハシバミ(ヘーゼルナッツ)やその他の関連する生の果物、生野菜、ナッツ類を食べた後に、口や耳のかゆみ、喉のイガイガ、口のじんましん、唇、口、舌、喉の腫れが見られる場合は、花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)(口腔アレルギー症候群(OAS)とも呼ばれる)に罹患している可能性があります。このような症状は、食物や花粉に含まれる類似のタンパク質や成分に対する免疫系の反応によって引き起こされます6。これはきわめて一般的で、ある研究では、アレルギー性鼻炎(花粉症)を持つ小児の約1/4がPFASにも罹患していることが示唆されています9。ハシバミ(ヘーゼルナッツ)を食べたときにPFASを引き起こす可能性のある一般的な花粉アレルギーには、樹木(ブナ目カバノキ科花粉など)、イネ科植物、雑草などがあります4。
※他に感作または交差反応を起こしうるアレルゲンは人により異なるため、自己判断せずに必ず医師の診断を受けることが必要です。
ハシバミ(ヘーゼルナッツ)はさまざまな種類のタンパク質で構成されています。すべてのタンパク質に異なる特性があり、症状を引き起こすリスクレベルも異なります。原因となるタンパク質が高温によって分解される場合には、よく加熱(調理/ロースト)されたハシバミ(ヘーゼルナッツ)なら食べられる人もいます。原因となるタンパク質が熱に対して安定するものの場合には、アナフィラキシーとも呼ばれる重篤な症状を引き起こす可能性があるため、ハシバミ(ヘーゼルナッツ)を完全に避ける必要があります。個人個人のリスクプロファイルは、ハシバミ(ヘーゼルナッツ)に含まれるどのタンパク質(アレルゲンコンポーネント)に対してアレルギーがあるかによって異なります4。
ナッツ類アレルギーの症状は、通常は摂取後数分以内に起こり、じんましんからアナフィラキシーまでのさまざまな症状が現れます。アナフィラキシーは生命を脅かす可能性のある反応で、呼吸困難になり、身体がショック状態にいたることがあります2,5。実際、日本でのナッツ類アレルギーは、ショック症状を引き起こした原因食物として鶏卵、牛乳について第3位で17.4%を占めています14。多くの人がナッツは見分けがつかないため、この重症度は特に問題となります。たとえば、ある研究では、アレルギーのあるナッツのすべての形態を正しく特定できたのは、ナッツ類アレルギーを持つ参加者の半数のみでした1。
ナッツ類アレルギーの症状には、以下のものがあります5。
また、ナッツ類によるアレルギー反応は、ブナ目カバノキ科花粉との交差反応により、口腔アレルギー症候群(OAS)(花粉-食物症候群(PFS)や花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)とも呼ばれる)として現れることもあります2,6。
OASの症状には以下のものがあります6。
アレルギー症状の原因を知ることは、治療や対策への第一歩です。自己判断せず、きちんと医療機関を受診して医師による適切な診断を受ける必要がありますので、医師に相談するために症状を記録しておきましょう。症状の記録とともに、特異的IgE血液検査または皮膚プリックテストが役立ちます。アレルギーと診断された場合は、医師の指導に従ってください。