鶏卵アレルギー

鶏卵アレルギー

鶏卵は乳幼児において最も多く見られるアレルギーの原因食物です1)。鶏卵アレルギーの多くは卵白のタンパク質が原因です2)

※食物蛋白誘発胃腸症と呼ばれる疾患の場合は、卵黄を食べた数時間後に嘔吐を繰り返すことがあります。

鶏卵アレルギーの症状

食物アレルギーの症状は皮膚症状、粘膜症状(目や鼻、口腔内)、呼吸器症状、消化器症状などさまざまです。ほとんどの場合は、原因食物を食べてから2時間以内に症状がおこります。すべての症状が同時に起こるわけではなく、同じ患者さんでも原因食物を食べた際にでる症状は食べる量や患者さんの体調によっても異なります。鶏卵アレルギーは、乳幼児期に発症する食物アレルギーの中でもっとも多く、乳児期のアトピー性皮膚炎に続いて発症することが多いとされています。

*皮膚症状…かゆみ、発赤、じんましん、血管浮腫など。

*粘膜症状…口の中のかゆみや違和感(イガイガ・チクチクする)、唇の腫れなど。

      鼻水、鼻づまり、くしゃみ。

      目のかゆみや充血、涙が出る。

*呼吸器症状…のどの違和感、かゆみ、しめつけを感じる。

       ゼーゼーヒューヒュー、呼吸困難など。

*消化器症状…気持ち悪い、吐き気、腹痛、下痢、血便など。

*その他症状…頭痛、眠気、意識障害、失禁、血圧低下、頻脈、徐脈。手足が冷たくなる。顔面蒼白など。

加熱卵について

鶏卵に含まれるタンパク質の中には、しっかりと加熱することで構造が変化するものもあります。そのため、加熱卵は生卵や半熟卵に比べてアレルギー反応を起こしにくくなります。卵白のタンパク質の中でも『オボムコイド』と呼ばれるタンパク質は、加熱しても壊れにくいことが知られています。そのため、鶏卵アレルギーの方でも血液検査で『オボムコイド』が陰性の場合は、加熱卵は食べることができる可能性があると考えられます。『オボムコイド』が陰性でも、加熱の仕方によっては症状の出てしまうこともあります。鶏卵のアレルゲン性は加熱の仕方によって異なるため、例えば、クッキーを食べても症状はでなくても、プリンを食べると症状が出てしまう人もいます。医師と相談して追加の検査についても検討しましょう。

『オボムコイド』について医師に相談しましょう

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鶏卵を含む食品の例3)

マヨネーズ、練り製品(かまぼこ、はんぺんなど)、肉類加工品(ハム、ウィンナーなど)、調理パン、菓子パン、天ぷらやフライの皮、ハンバーグなどのつなぎ、洋菓子類(クッキー、ケーキ、アイスクリームなど)など

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アレルギーかも?と思ったら医師に相談しましょう。

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1) 一般社団法人アレルギー学会.東田有智監修.アレルギー総合ガイドライン2019.協和企画.2019;478-484.
2) 海老澤元宏編.症例を通して学ぶ食物アレルギーのすべて改訂2版.南山堂.2018;171.
3) 海老澤元宏編.症例を通して学ぶ食物アレルギーのすべて改訂2版.南山堂.2018;85.

監修医の紹介

本ウェブサイトの監修医のご紹介、ご担当ページの詳細はこちら

独立行政法人国立相模原病院
臨床研究センター センター長
海老澤元宏先生

1985年東京慈恵医科大学医学部卒業。国立小児病院医療研究センターレジデント、米国ジョンズ・ホプキンス大学臨床免疫学教室留学を経て、2000年より国立病院機構相模原病院小児科医長、2001年同臨床研究センター病態総合研究部長。現在は、国立病院機構相模原病院臨床研究センターでセンター長を務める傍ら、一般社団法人日本アレルギー学会理事長、日本小児アレルギー学会副理事長、Asia Pacific Association of Pediatric Allergy, Respirology & Immunology (APAPARI) 理事長も務めている。厚生労働省のアレルギー疾患対策推進協議会や消費者庁食物アレルギー表示に関するアドバイザー会議では座長を務める。食物アレルギー分野の第一人者。

2023年10月時点