1種類ずつ組み合わせるアレルギー検査 アレルギー血液検査

血液で調べる特異的IgE抗体検査にはいくつか種類があります。約200種類の項目(アレルゲン)の中から原因として疑われる項目を1種類ずつ選んで組み合わせて検査するものや、あらかじめ組み合わされた39種類のアレルゲンを一度に調べることのできる検査や指先からの採血により20分で結果がわかるアレルギー検査などがあります。

1種類ずつ組み合わせる検査は世界中で広く使われており、長年、診療の現場で培われた豊富なデータがあります1-3)。症状との関連性などのデータは、医師か診察を行う上で参考となります。

患者さんごとに必要なアレルゲンを選ぶことができるだけでなく、血液検査の結果は、クラスや陰性/疑陽性/陽性といった判定に加えて、特異的IgE抗体の濃度(量)が数値で示されるという特徴もあります。そのため、アレルギーかどうかの診断に加えて、一度アレルギーの原因として診断されたものに対して経過観察をする際などにも使用されます。

特異的IgE抗体の量が多いほど、症状を引き起こす可能性が高いことを示しますが、必ずしも症状の有無や重症度を反映するものではないことに注意が必要です1-3)。そのため、食物アレルギーの場合には、特異的IgE検査だけでなく、実際に食べて症状が出るかをみる食物経口負荷試験を実施して診断が行われます。

血液検査で行われる特異的IgE検査はあくまでアレルギー診断のためのひとつのツールであり、診断は医師のもと総合的に判断されます。アレルギー検査を受けたら、自己判断はしないようにします。アレルギーかな?と思ったら医療機関を受診して医師に相談してみましょう。

<特異的IgE検査の判定方法> 

判定

 

クラス

 

抗体の濃度(UA/mL)

 

陰性

0

0.35未満

疑陽性

1

0.35以上0.7未満

陽性

2

0.7以上3.5未満

陽性

3

3.5以上17.5未満

陽性

4

17.5以上50未満

陽性

5

50以上100未満

陽性

6

100以上

症状誘発の可能性3)

低い
矢印イラスト

高い
<食物アレルギー診断の例>

 ※診断は、血液検査の結果だけでなく医師の診察のもと総合的に判断されます。

食物アレルギー診断の一例
<1種類ずつ組み合わせた検査の例>

保険適用の範囲内で一度の採血で実施できる項目数には上限があります。医師は、症状が出た時の状況を詳しく問診し、疑われる項目を選択し、検査項目を決めていきます。

 

季節性アレルギーの原因(花粉)4)を調べる

 

 

スギ、ヒノキ、ハンノキ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギなど

 

季節性アレルギーの原因(花粉以外)7)を調べる

 

ガ、アスペルギルス(コウジカビ)、アルテルナリア(ススカビ)など

 

屋内の主なアレルギーの原因7)を調べる

 

ヤケヒョウヒダニ、ネコのフケ、イヌのフケ、ゴキブリ、カビ類など

 

食物アレルギーの原因を調べる(0歳代)8)

 

卵白、オボムコイド、ミルク、小麦

 

食物アレルギーの原因を調べる(幼児期)8)

 

ピーナッツ、ナッツ類、いくら、小麦など

 

食物アレルギーの原因を調べる(成人)8)

 

小麦、甲殻類、果実類、大豆、Gly m 4(大豆由来)**など


加熱卵摂取可能かの判断の指標となる卵白の成分です。

**大豆由来の成分のひとつで成人の大豆加工品(豆乳など)アレルギーの原因とされています。

アレルギーかも?と思ったら医師に相談しましょう。

日本アレルギー学会運営サイトにて、全国の拠点病院やアレルギー専門医を検索できます。
食物経口負荷試験実施施設についてもご確認いただけます。

1) 食物アレルギー診療ガイドライン2021
2)Ann Allergy Asthma Immunol. 2008;101:580–592.
3)食物アレルギー診療の手引き2020
4)鼻アレルギー診療ガイドラインー通年性鼻炎と花粉症ー 2020 年版(改訂第9 版) 
5) アレルギー 54(6), 531-535, 2005
6) 日耳鼻105, 1181-1188, 2002 
7) アレルギー・免疫20(3)418-425, 2013
8)令和3年度 食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業報告書(消費者庁)